リモージュ/Porcelaine de Limoges

磁器の白さに欠かせないカオリンという鉱物がフランスで初めて発見された土地に隣接するリモージュ。
王立釜の一部としての役割を果たしていたこともあり、品質と豪華な装飾もリモージュの特長のひとつです。
リムーザン地域圏の首府、オート=ヴィエンヌ県に属するリモージュで生産される磁器。
リモージュで磁器が作成されたのは1771年。

リモージュ焼の特長は何と言っても、使われているカオリンによる透明感のある
美しい「汚れなく純粋」と評される白さでしょう。
また、その白さを生かした優美な絵付けの装飾も大変魅力的です。
アンティークのリモージュ焼きには、シンプルなデザインの物からロココやアールヌーボー等、
装飾が多く特徴的なものまで様々です。王立の製陶所となった時代もあり気品と価値は世界的にも知られています。
また、リモージュは画家のルノアールの出身地でもあり、
彼が少年時代にリモージュ焼の絵付けの仕事をしていたことも有名です。
リモージュ窯の磁器制作の起源はリモージュ焼の特長でもある透明感を生み出しているカオリンが、
リモージュの近くの町であるサンティリエ・ラ・ペルシュ(Saint-Yriex-La-Perche)で
1768年に発見されその後、1771年にグルレ兄弟(Grellet)による出資で、
マシエ(Massié)とフルネラ(Fournérat)によって窯が設立されたことに始まります。

1774年からはアルトワ伯爵(Comte d'Artois)に護られる状態で発展しました。
この頃は磁器となる前の軟磁器の特色を模したものや、縁取りにブーケや金、
青などの線が入ったシンプルな装飾がリモージュの特徴的でした。
その後、1784年にフランス政府セーヴルの王立製陶所に買い取られ王立製陶所の一部となり、
「リモージュ王立製陶所」とも呼ばれ、セーブル窯から派遣された技術者によって、
リモージュ焼の装飾に多様性が生まれます。

その後、1800年代には民間のリモージュ製陶所が次々に設立され、
リモージュ焼は室内の様々な装飾に用いられる等、食器以外の装飾美術としての発展も遂げます。
1800年代後半から1900年代前半には、ロココやアールヌーボー、アールデコ等、
時代の影響が伺えるデザインや、実用的な焼き物が数多く現れました。
ヨーロッパ各地の万国博覧会にも多数出店され、世界的な知名度も高まりました。
また、画家やアーティストと共同制作された磁器作品も制作されるなど
リモージュ焼は多種多様な発展を遂げて行きます。